マッケンジー法®

マッケンジー法は、腰痛や首の痛み、手足の痛み等に対する検査法、施術法として国際的に高い評価を得ています。1950年代に考案されて以来、世界中で広く活用されている健康回復のための自己管理方法です。

国際マッケンジー協会 日本支部

70年以上前と比較して、腰痛に対する治療法はあまり進歩していません。医師や専門家は長年にわたり、幅広い治療法を施してきました。例えば、温熱、冷却、安静、マッサージ、電気治療、鍼治療、カイロプラクティック、オステオパシー、牽引、注射、服薬、手術など…。

しかし、どの治療法を用いても、腰痛を根本から改善するには至っていません。その証拠に、未だに腰痛は、この世からなくなることなく、大きな社会問題となっています。

あなたもこんな経験はありませんか?

腰痛で整骨院や鍼灸院で治療を受けて、そのときは痛みが軽くなるけど2~3日もすればまた痛くなる…、もしくは、腰痛が悪化するたびに、整骨院や鍼灸院で治療を受けている…。このままでは一生腰痛と付き合っていかないければならないばかりか、将来的に腰痛が悪化して手術が必要になることもあります。

この問題の唯一の解決方法があります。

それは、あなた自身が自分で腰痛を改善できるようになることです。あなたが自分自身で腰痛を改善するための具体的方法が「マッケンジー法」です。

マッケンジー法のメリット

マッケンジー法には、こんなメリットがあります。

  • 腰痛を自分で改善することができる
  • 自分で腰痛の再発を予防できる
  • 腰痛に対する不安や恐怖がなくなる
  • 腰痛で病院や整骨院に行く必要がなくなる
  • 1分以内でできる簡単な体操を実践するだけ
  • 自分で治せるのでお財布にも優しい
  • 病院、整骨院に行く時間も必要ない

マッケンジー法の最大のメリットは、あなたが自分自身で腰痛を改善することができるということです。自分で腰痛をコントロールできるようになるので、当然、再発も予防でき、将来への不安や恐怖も一切なくなります。

1分程度でできる簡単な体操を習慣的に実践していくだけなので、時間も労力も必要ありません。もちろん、これまで病院や整骨院に通うために使っていたお金や時間も必要なくなります。

腰痛に対する考え方を変える

ここでほとんどの人が思うのが、本当に自分で腰痛を改善することができるのか?という疑問です。これまで、病院、整骨院、鍼灸院で治療してもらって、体の専門家ですら治せない腰痛を、何の知識もない言ってしまえば素人の自分に治せるわけがない…。あなたが、そう思うのは自然なことです。では、これからその疑問を解消していきます。

まず、あなたの腰痛を改善していくにあたってとても重要なことがあります。それは、あなたの腰痛に対する考え方を変えることです。具体的には、「腰痛は専門家に治してもらうもの」という考え方から「腰痛は自分でコントロールしていくもの」という考え方に変える必要があります。

腰痛に対する考え方

「専門家に治してもらうもの」

「自分でコントロールしていくもの」

「考え方を変えなさい!」

いきなりこんなこと言われても、人は急に考え方を変えることはできませんよね。考え方を変えるには、元となる知識が必要だからです。では、これから腰痛を自分自身でコントロールし、根本から改善していくための「正しい知識」について解説をしていきますね。

そもそも、なぜ「痛み」が起こるのか?

そもそも、なぜ、「痛み」が起こるのか考えたことがありますか?この質問は、なぜ、「腰痛が起こるのか」という腰痛の原因を問う質問とは違い、そもそも、なぜ、人間の体は「痛み」を感じるようにできているのか?という本質的な質問です。腰痛だけでなく、肩こり、首痛、手足の関節の痛みなど、「痛み」を改善しようと思ったときに、この本質的な疑問を明確にしておく必要があります。「痛み」を知らずに「痛み」を克服することなんて不可能だからです。

そもそも、「痛み」とは何のか?

もしあなたが、冬の寒い朝に、右足の小指を机の角に激しくぶつけたとします。おそらく、あなたは右足の小指に激しい痛みを感じるはずです。これが正常です。

でも、中には、どんなに激しく小指をぶつけても痛みを感じない病気があるのをご存知ですか?これは、「先天性無痛無汗症」といって、生まれつき痛みを感じる神経が発育せず、痛みや熱さ、冷たさを感じない(もしくは感じにくい)病気です。

先天性無痛無汗症を持って生まれたお子さんは、打撲、骨折、脱臼、火傷などを繰り返します。これは、痛みを感じないがゆえに、体にとって何が危険なのか判断できないためです。

おそらく、あなたなら、足の小指を机の角にぶつけることによって痛みを感じることができます。そのため、足の小指を机の角にぶつける行為は打撲や骨折のリスクがあり、体にとって危険であると知っています。

しかし、小指を思いっきりぶつけても痛みを一切感じなければどうでしょう。小さいお子さんは、それが危険なことであると学習することはできないのです。結果的に、小指の打撲や骨折を繰り返してしまうのです。

このことからも分かる通り、人間の体は本来、あえて痛みを感じるように「痛覚神経」が備わっています。痛みを感じるということは人間の体にとって正常な働きなのです。

では、本題に戻ります。「痛み」とは何なのか?

痛みは人の体にとって危険を知らせる「警告」です。これは、小指をぶつけた痛みであっても、腰痛であっても、肩こりであっても、関節痛であっても同じです。つまり、腰痛は「警告」なのです。

構造痛という概念

「痛み=警告」、この考え方はご理解いただけたかと思います。では、次に腰痛はどんな警告なのか、もう少し具体的に知識を深めていくために、簡単な実験を行ってみましょう。

写真のように指を後ろに曲げてみてください。

指に緊張が感じられるまでしっかり曲げます。この状態を保つと、最初は軽い違和感を感じるだけですが、時間が経つと徐々に指が痛み始めます。これは、指の靱帯や腱が引き伸ばされて、「これ以上伸ばしすぎると、関節や靱帯を痛めてしまうよ!」という身体からの警告です。これを「構造痛」と呼びます。

構造痛は、体の構造(関節、筋、靱帯、腱など)に物理的な負担が加わることによって起こります。例えば、長時間のデスクワークや中腰での作業、重い荷物を持ち上げるなどの動作によって、腰の構造(関節、筋、靱帯、椎間板など)に負担がかかれば、腰の構造痛が起こります。つまり、これは「腰に負担が蓄積しているよ!」という身体からの警告です。これが腰痛の正体です。

構造痛は、体に加わる物理的な負担を知らせる警告ですので、それを無視して負担をかけ続ければ、当然、構造が損傷します。代表的な例は椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアは、腰への負担によって椎間板が変形、もしくは損傷する状態を指します。

腰痛は構造痛、つまりは警告なので、腰に負担をかければ、腰痛にならなければいけないのです。極論ですが、腰痛があるのが正常ということになります。

腰に負担が蓄積すれば、その警告として腰痛が出るわけですので、この世から腰痛がなくなることは絶対にありません。もし仮に、この世から腰痛がなくなれば、気付いた時には腰の構造は損傷し、全国民が椎間板ヘルニアになるでしょう。だから、「腰痛をゼロに!」は不可能なのです。

腰痛を改善する方法

それでも辛い腰痛を改善する方法はあります。それは、腰に蓄積する負担をリセットしてあげることです。腰に負担が蓄積すれば警告としての腰痛が生じますが、その反対に、腰の負担が解消されれば腰痛はなくなります。

そして、腰に蓄積した負担のリセット、これはあなたにしかできません。医師や専門家はあなたの腰の負担をコントロールすることはできないのです。

そもそも、腰痛は誰かに治してもらうものではないのです。腰痛は自分自身でコントロールするしかありません。それを可能にするのがマッケンジー法です。

いかがでしょうか?腰痛に対する考え方は変わってきましたか?「腰痛は自分自身で治せるもの」と考え方を変えて信じることが腰痛改善の第一歩です。

では、マッケンジー法を使って、具体的にどうやって腰痛を自分で改善していくのかその方法をご説明していきます。

マッケンジー法の流れ

➀問診・検査

➁分類

➂マネージメント

④予防

1 問診・検査

腰痛を自分で改善すると言っても、ただやみくもに体操やストレッチをやればいいというものではありません。自身の腰の状態を詳しく知らずに、自己流の体操やストレッチはむしろ危険です。もちろん、YouTubeやテレビで放送された腰痛体操ですら、悪化の危険が高いです。

そのため、まずは丁寧に問診を行い、得られた情報をもとに姿勢や動作の検査を行います。マッケンジー法による検査は、どんな姿勢・動作によって腰痛が改善するのか、もしくは悪化するのか、細かく検査していきます。

姿勢・動作による、痛みのパターン、関節可動域の変化、筋力の変化など細かく正確に分析し、あなたの腰痛がどのタイプなのか、腰がどういう状態なのかを判別していきます。

2 分類

問診・検査から得られた情報をもとに、あなたの腰痛をタイプ別に分類していきます。自身の腰痛のタイプを知らずに、やみくもに自己流で体操やストレッチをやるのはとても危険です。

ほとんどの場合、良かれと思って実践している体操やストレッチによって腰の状態を悪くしています。というより、多くの人が、腰痛の改善と悪化の明確な基準すら持っていないと思いますから、当然です。

自身の腰痛タイプに適合した方法を採用すれば、あなたが自分で腰痛を改善するのは意外なほど簡単なのです。

3 マネージメント

問診・検査結果をもとに腰痛のタイプを分類し、あなたに適合する体操を処方します。この体操を処方する際にも、体操によって腰痛が悪化しないこと、繰り返し行うことで改善へと向かうことをしっかりと確認したうえで、処方します。

あなたは処方された体操を日々の生活のなかで実践します。体操はどれも簡単なものばかりで、1セット1分程度で行えるものばかりです。日々の生活のなかで1~2時間おきに処方された体操を実践する方が、週1~2回整体や整骨院に行くよりも効果的だと気付くはずです。

4 予防

習得してもらった体操を1日2~3セット継続していくことで、腰痛の再発を予防することができます。たとえ再発したとしても同様の体操で、安全かつ効果的に自分自身で対処できます。